3月は多くの企業にとって決算期。 新年度に向けて、ECサイトを運営する企業も広告戦略を見直す時期ではないでしょうか?特に広告予算の設定は、売上拡大のカギを握る重要な要素です。
今回は 「広告予算の決め方」 について、代表的な4つの考え方をご紹介しながら、EC事業者にとって最適な戦略を解説します。
広告予算の決め方:4つの視点
広告予算を決める方法は、大きく分けて以下の4つの視点があります。
① 売上高比率法(売上に応じて広告予算を決める)
最も一般的な考え方が「売上高比率法」です。これは、 「売上の〇%を広告費に充てる」 というシンプルな手法。例えば、「年間売上1億円のECサイトで、広告費を売上の5%とするなら500万円」といった形で決まります。
メリット
✅ 売上に応じて予算を調整できる
✅ 突発的な広告費の増加を防げる
デメリット
❌ 売上が少ないと広告費も少なくなり、成長が鈍化する可能性
❌ 競争の激しい市場では、十分な広告投資ができない場合も
特に ネット通販では、商品や市場特性によって売上高比率が大きく異なります。例えば、高額商品を扱い、競合が少ない企業は 売上高比率が低め になる傾向があります。逆に、競合が多く、単価が低い商品ほど 広告比率は高くなる 傾向があります。
② 支出可能予算法(使える範囲で広告費を決める)
こちらは、 「余剰資金の範囲内で広告費を決める」 方法です。企業が固定費・人件費・仕入れなどを差し引いた後に、 「使える範囲内で広告費を設定する」 という考え方になります。
メリット
✅ 赤字を防ぎ、無理なく広告投資ができる
デメリット
❌ 投資額が不安定になりやすく、成長のスピードが鈍化する
❌ 競合が積極的に広告を出している場合、勝負に負ける可能性
資金に余裕のある大手企業なら良いですが、 成長フェーズのEC事業者にはやや不向きな考え方 かもしれません。
③ 競合企業ベース法(他社を基準に決める)
この方法は、競合他社の広告投資額をリサーチし、 「業界平均や競合の広告費と同等、もしくはそれ以上を投入する」 という考え方です。
メリット
✅ 競争環境に遅れを取らない広告投資ができる
✅ 競合と同じ土俵で戦える
デメリット
❌ 競合の広告戦略が自社に適しているとは限らない
❌ 競合の情報を正確に把握するのが難しい
例えば、GoogleやFacebookの広告ライブラリなどを活用し、 競合がどの程度の広告を出しているかを調査することも重要 です。
④ タスク法(目標達成ベース)理想です!
「タスク法」は、 目標を達成するために必要な広告費を逆算して決める方法 です。
例えば、
売上目標:1億円
CVR(コンバージョン率):2%
客単価:1万円
この場合、 1万人の購入が必要 → 50万人の訪問者が必要 → 必要な広告費は〇〇円 といった形で、数値から最適な予算を算出します。
メリット
✅ 明確な目標設定ができる
✅ 無駄な広告費を削減できる
デメリット
❌ データ分析が必要(過去のCVRや顧客獲得単価などを把握する必要あり)
❌ 運用の手間がかかる
ただ、 最も戦略的でスマートな広告予算の決め方 なので、 成長を目指すEC事業者にはタスク法がベストだと思っていますが、予想通りに行くかどうかは、分析と出稿方法次第です。私はこれをやってきました。
ネット広告の特性を理解し、最適な予算配分を!
ネット広告では、 市場特性によって広告比率が変動します。
競合が少なく、高額商品の場合 → 広告比率は低め(例:オーダーメイド家具、高級時計)
競合が多く、単価が低い場合 → 広告比率は高め(例:スマホアクセサリー、日用品)
この特性を理解したうえで、 売上高比率やタスク法を組み合わせながら、最適な広告予算を設定することが重要 です。
まとめ:どの方法を選ぶべきか?
✔ 初心者・シンプルに決めたい → 売上高比率法
✔ 資金を抑えつつ慎重に運営 → 支出可能予算法
✔ 競争環境を意識する → 競合企業ベース法
✔ 戦略的に成長を目指す → タスク法(難しいけど、最もおすすめ!)
ECサイトの成長には、 売上と広告費の最適なバランスが不可欠 です。適切な広告予算を設定し、 効果的なマーケティング戦略を立てていきましょう!
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